日本口琴協会を立ち上げた1990年には考えも及ばなかったことですが、口琴を演奏するミュージシャン、口琴を自ら製作する人々、そして口琴やその音楽を愛する人々は、静かな、同時に熱狂的な広がりを見せています。
世界的にも、口琴のメッカ、ロシア連邦サハ共和国はもちろん、同トゥヴァ共和国、アメリカ、ノルウェー、オーストリア、ハンガリー、ドイツ、キルギスなど
で、定期的に、あるいは不定期に、様々な規模の口琴フェスティバルが開催されるようになっています。
国際口琴大会も、1984年アメリカ合衆国アイオワ市における第1回以降、第2回サハ共和国(1991)、第3回オーストリア(1998)、第4回ノル
ウェー(2002)、第5回オランダ(2006)と回を重ね、多国間の口琴奏者たちの交流も盛んになってきています。
いつの日か、日本で、世界中から口琴関係者を招いて国際口琴大会を開催する、その夢につながれば、という願いも込めて、日本でもここらでひとつ、と企画されたのがこの「国際口琴フェスティバル
in 東京」。
まずはpart 1として、2008年10月12日〜13日の二日間、渋谷O-nestを舞台に、「月」と題して、内外の口琴人間が大集合。ロシア連邦サハ共和国から、最強の口琴グループAyarkhaan (アヤルハーン) 、そしてイタリアはシチリア島から、今をときめく超音速パーカッションバンドIpercussonici (イペルクッソーニチ) を招聘。さらに北海道からアイヌ民族ムックリ奏者11名をはじめ、国内各地の30組90名に及ぶミュージシャンによるライブステージ、10名の口琴製作者によるプレゼンテーション、口琴マーケット、ムックリ製作ワークショップなどを展開、成功裏に終えることが出来ました。(「月」についてはこちら。)
今回のpart 2「花」では、中央アジアのキルギスをはじめとする6組のミュージシャンによるコンサートのほか、2名の口琴製作者による口琴製作ワークショップ、口琴をテーマにした映画、研究発表、レクチャーコンサート/ワークショップなどを行います。コンサートでは、甲田潤、遠藤
雅夫の2名の作曲家による、口琴のための新曲発表も予定。2009年3月27日〜28日の二日間、東京音楽大学を会場に、多角的かつアカデミックに迫ります。
江戸時代、文政年間に大流行し、幕府に禁止された口琴。21世紀の今、どんな姿を見せてくれるのでしょうか。